HOME > これまでの仕事 > 住宅

これまでの仕事 - 住宅

青霄庵

モダン和風の二世帯住宅

敷地は、由緒ある神社や私設の美術館が点在する、緑の多い閑静な住宅街にあり、
行政も町並みの景観整備を積極的に進めている第一種低層住居専用地域に位置します。

定年を目前にされた建築主ご夫妻は、須磨にお住まいだったご自宅が阪神淡路大震災で被災され、
修復はなされたものの慣れ親しんだ町並みがすっかり変わってしまい、
終の棲家としてこの場所に新しく住まいを求められました。

外観は近隣に出来るだけ圧迫感を与えないようにする配慮と、
内部空間を損なわずに軒や高さを押えるためにR勾配の屋根としました。
柔らかさを感じさせながら夏の日差しを遮る深い軒を実現することができました。

又、幾重にも重なった屋根が日本の美しい風景を形づくっていると思いますが、
そうした外部空間への働きかけを積極的に試みました。

変形している敷地は、北側から南側に半時計回りにほぼ1層分の高低差があり、
敷地周囲に擁壁を巡らさざるを得ないのですが、これも建築主のご理解を得て石貼りとしましたので
町並みの景観形成に寄与することが出来たと思います。

プランは将来増築することで二世帯住宅となるように計画しました。
1階はリビング・ダイニングを中心として北側に和室、東側にキッチン、
2階は書斎、寝室、水廻り、地階には車庫と納戸を配置しています。
リビング・ダイニングは16帖の広間ですが、
拭き漆の大黒柱で意識的に分節化を図りました。

北向きの和室は、南向きの緑を目にする事になるので意外と明るく感じられ、
均一な穏やかな光が入り落着いた空間となりました。
リビング・ダイニングとキッチンとは壁のような建具を開閉することで色々な状況に応じて使い分けが出来るようになっています。

住宅は、まず日当りや風通しが良いこと、そして構造のしっかりした安心できる家、
その上に美しい町並みを形づくることが大切だと考えていますが、
今回この思いによき理解を示していだだき、この機会を与えて頂いたことにとても感謝しています。

又、この工事では監督さんをはじめ各職方のみなさんが
設計意図の実現に非常に意欲的に取組んで頂きました。
改めて感謝を申し上げます。 
________________________________

竣工    2002年12月
構造規模  木造地上2階建

●面積
敷地面積   357.60㎡
建築面積  156.07㎡
述床面積    262.89㎡ 

●主な外部仕上げ
屋根  ステンレス塗装鋼板一文字葺
壁   アクリルリシン吹付 
開口部  アルミサッシ、木製ガラリ雨戸

●主な内部仕上げ

天井  玄関ホ-ル、食堂、居間/スタッコ塗り
    書斎、洋室、寝室/PB厚9㍉AEP

壁   玄関ホ-ル/砂入プラスタ-木ゴテ摺り
    食堂、居間、書斎/珪藻土塗り
   寝室/PB厚12㍉AEP

床   玄関ホ-ル、台所、洋室、寝室/
    ナラフロ-リング
    食堂、居間/クリフロ-リング


平瀬の家

奈良県:天理の家

旭区千林の家

閉じながら明るく開放的な空間。

敷地は大阪市旭区の住宅密集地に有り、三方を3階建ての建物に囲まれている、
いわゆる狭小住宅地です。

建築主のご家族はご夫婦と長女と男の子二人の五人家族。
成長する子供達の為にできる限り空間を確保すること、
木の温もりを大切にしたいが 和風すぎないこと、
以前 からある沈丁花をシンボルとして植えたい、というのが主なご要望でした。

プライバシーに配慮した空間構成は、1階奥にご夫婦の寝室、
2階に居間、食事室、キッチン、3階に子供室を配置することとしました。
1層目と3層目がプライベートゾーン、2層目がパブリックゾーンとなっています。

また、住環境としての構成は、1階の駐車スペ-スと寝室の間に3階まで吹き抜ける中庭を設け、
光と風を建物全体に取り入れる、閉じながら開放的な空間を目指しました。
玄関から階段を上がると吹き抜けのある居間に入ります。 

2階で家事をするお母さんは吹き抜けを通して3階の子供達の気配を常に感じることができます。
3階の子供室は中庭を挟んで長女と男の子二人の部屋を設け、思春期のプライバシ-に配慮しました。

室内の仕上げは、床は唐松の無垢板に蜜蝋ワックス塗り、
壁は土入り漆喰塗りとし、自然素材にこだわりを持つ建築主の要望に答えた。

床のワックス塗りはご家族と設計者も参加し、皆でワイワイと楽しみながら仕上げる事ができました。
子供達にとって家づくりの思い出となれば設計者にとっても幸せなことです。 
________________________________

■竣 工   2006年3月
構造・規模  木造地上3階建

●面積
建築面積     42.779㎡ ( 12.94坪)
延床面積    115.642㎡ ( 34.98坪)

■主な外部仕上げ
屋 根  ガルバリウム鋼板瓦棒葺
外 壁  ガルバリウム鋼板断熱サイディング張
開口部  窓 アルミサッシュ ステンレス色

■主な内部仕上げ
床   唐松無垢フロ-リング 蜜蝋ワックス仕上
壁   プラスタ-ボ-ド厚9.5 薄塗左官仕上、ケナフクロス張
天井  プラスタ-ボ-ド厚9.5 AEP 


大正区の家

普通の暮らしを快適にできる家。

都心の密集地の三軒長屋の端の一軒を建替えるプロジェクトです。
間口2間、奥行8間の三方を隣家に囲まれたうなぎの寝床状態の敷地に、
お祖父さんと息子さん夫婦とお嬢さん三人家族の二世帯住宅を計画しました。

空間構成は、1階に軽ワゴン車2台分の車庫と坪庭を挟んで洗面脱衣室と浴室、
2階にリビング・ダイニング・キッチン、お祖父さんの部屋、
3階に家族が集うファミリール-ムを挟んで夫婦寝室と子供室となっています。

お祖父さんの部屋は坪庭を通ってアプロ-チすることで
リビング・ダイニングから適度な距離感を保ちます。
部屋から窓を通して家族の姿が見えることにより、孤立感をなくし、
キッチンから家事をしながら姿や気配が感じられ様子が知る事ができるようになっています。

一度外に出てから部屋に入るのですが離れを訪問する感じと思っています。

玄関からすぐに階段を上がると10帖半のリビング・ダイニングです。
南側に小上がりの3帖の畳コーナーを設けてあります。
コーナーの下は引き出しの収納になっています。

1階の光庭は上まで吹き抜けていて面しているキッチン横の窓と畳コ-ナ-の窓を開ければ
風が通り抜けてゆきます。

外観は道路に面しているので全面木製格子を取り付けて、
外部からのプライバシ-を守りつつ内部からは開放的に感じる事ができるように配慮しました。

________________________________

■竣 工  2006年12月
構造・規模  鉄骨造 地上3階建

●面積
建築面積   47.72㎡
延床面積   141.31㎡

●主な外部仕上げ
屋根    QLデッキコンクリートスラブ シート防水
外壁    薄型押出コンクリート成形板 厚15 
開口部    アルミサッシ

●主な内部仕上げ
天井  玄関ホール、食堂、居間、寝室、子供室/PB厚9㍉クロス張

壁   玄関ホール、寝室、子供室/PB厚9㍉クロス張
    食堂、居間、/黄土入り漆喰プラスター木ゴテ摺り
    寝室、子供室/PB厚12㍉クロス張

床   玄関ホ-ル、居間、食堂、台所、寝室、子供室/
   唐松フローリング


照明寺離れ

高齢なご夫婦の平屋の住まい。

既存の庫裏をご子息に譲るにあたり、敷地の一部に
現ご住職夫妻の住まいとして離れを計画したものです。
ご縁があって、檀家の方から広間(八帖)のお茶室を譲り受ける事になり、
計画が具体化しました。

高齢のご住職夫婦お二人の住まいであるので、
和室を中心に、リビング・ダイニングと水廻りをコンパクトに計画しました。

移設した和室は二十年近く前に自分が設計した住宅のもので、
事情がありこの住宅が解体されることになったのですが、
関係者皆さんのご尽力で、新築当時の趣きを取り戻し、
新しい場所で新たな時を刻んでゆく事になりました。

設計者として誠にありがたく幸せな事だと思います。

経済優先が当たり前になり、まだまだ寿命が尽きていないのに取り壊される建物が多い昨今。
関係者の方々には心から感謝を申し上げたいと思いますが、
色々考えさせられる事も多いプロジェクトでした。

________________________________

竣 工  2007年 9月
構造規模  木造平屋建

●面積
延床面積   89.22㎡

●主な外部仕上げ
屋根     日本瓦葺 5寸勾配
外壁   アクリルリシン厚吹付 
開口部  アルミサッシ、木製雨戸

●主な内部仕上げ
天井  玄関ホール、食堂、居間、寝室/PB厚9㍉AEP
     和室、広縁/杉中杢合板棹縁天井
壁   玄関ホール、食堂、居間、/黄土入石灰プラスター木ゴテ摺り
    和室、広縁/じゅらく壁
    寝室/PB厚12㍉クロス張り
床   玄関ホ-ル、台所、洋室、寝室/クリフローリング
    和室/畳敷


六甲の家

修竹の家

築90年の家を二世帯住宅に。

この住宅は、大正及び昭和初期に建てられた数寄屋住宅を高齢のご両親と
ご子息夫婦の二世帯が快適に暮らせるようにリフォ-ムしたものです。

既存部分を含めた計画で配慮した点は、それぞれの生活時間帯が異なること、プライバシーが保たれること、
家族の集まる部分は一体としても個別としても使い分けが出来ること、
新しいプランによって動線に無理や無駄が生じないこと、
既存の暗く寒い部屋を明るく暖かいものにすることなどでした。

特にご両親の使い勝手に戸惑いを与えるような変更は避けるようにしました。
又、将来に備えすべての部分で段差が無いように、外部から内部へ出入り出来る様にすること、
水廻りのバリアフリ-などにも配慮しました。

北側の蔵と日常使用する玄関部分、母屋の表玄関及び座敷二間を残して、
主に水廻り部分を撤去、一階に親世帯と子世帯の共用部分を設け、
二階に子世帯のプライベ-ト部分を設けました。

又、既存の便所、書斎を撤去して中庭としましたので、
以前は全く陽の射さないジメジメとした場所でしたが、
一階のリビング・ダイニングにも陽が入るようになり、明るく開放的な場所になりました。

この中庭の周囲をぐるりと廻って各部屋へアプロ-チできるようにしたので、
移動するごとに違った景色に出会うことができます。
動線にも変化を付けることができましたし、住まい方にも面白味が増したと思います。

このご家族は、先々代から貿易の仕事をされておられ、
国内外のお客様が多くお見えになり、立食パ-ティなどを催すことができるように、
親世帯のLDと子世帯のDKとは可動の間仕切りで一室にも使えるようになっています。

既存の座敷二間と続けて建具で開閉する事により、
生活のスタイルに合わせて空間の大きさを自由に変えることができるのです。
大勢のお客様がお見えになってもご両親は独立した空間を持てるように配慮しました。

ご子息が以前の建物にとても愛着をもっておられて、
撤去する"おくどさん"の上部に架かっていた梁を何とか生かしてもらいたいと要望されました。

私としても、調査をしながらこの立派な梁を何とか残したいと考えておりましたので、
この家の守り神として精神的な拠り所となるように大黒柱とすることを提案しました。

又、もう一本は板に挽いてもらい、食堂のテ-ブルとしてよみがえりました。

巳むを得ず解体したとはいえ、先々代からこの家族の歴史を見守ってきた建物の古材が、
新しい空間でより身近にどっしりと存在しているのを見ますと、
時間の積み重ねを受け継いでいくことが"文化"ではないだろうかと改めて気づかされました。
________________________________

竣工    1995年9月

構造規模  木造地上2階建

●面積
敷地面積  2531.47㎡
建築面積  128.86㎡
延床面積  194.84㎡ 

●主な外部仕上げ
屋根  カラ-スレ-ト平葺
壁   アクリルリシン吹付 
建具  アルミサッシ:岩住アルミサッシュ

●主な内部仕上げ
天井  玄関ホ-ル、食堂、居間/米松練付合板 OSCL
    書斎、洋室、寝室/PB厚9㍉AEP
壁   玄関ホ-ル/砂入プラスタ-木ゴテ摺り
    食堂、居間、書斎、寝室/PB厚12㍉AEP
床   玄関ホ-ル、食堂、居間、書斎洋室、寝室/
    ナラフロ-リング


1

このページのトップへ